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忘れられないお客さん

父が車の美装屋をやっていた頃、松山から車を持ち込んできた
お客さん。
車は日産初代スタンザ。
色はメタリックのシルバー。

美装が終わり納車の日、
引き取りにきた彼は「綺麗になった」と上機嫌で帰って行った。
その夜、激怒の電話があり父は片道2時間の道を呼び出された。

先方のガレージに到着すると 曰く、
「こことここにバフ目が残ってる、どうしてくれる。保障しろ」
だったそうな。
作業は通常通り水銀灯と蛍光灯の工場の中で普通に確認して
終了した車。
受け取り後ガレージの中で作業灯をあれやこれやの角度に当て
ながら点検していたらしい。

その後父とその話をする事は無かったのでどういう決着になった
のかは知りませんし知りたくもない。

今の私が考えると、磨きに関しての技術力不足もあったはず。
フランチャイズルートで供給される処理液や作業工程を盲信して
いた事も浅はかだった現実かもしれません。
フランチャイズは全てある意味宗教みたいな物。

塗装が柔らかかった時代、シングルアクションポリッシャーで幾ら
バフとコンパウンドを使い分けてもそこそこの限界がありますし、
何処まで仕上げるかは作業者の考え方と受注金額次第。
私の記憶ではシングルアクションポリッシャーしか工場に無かったし、
スポンジとウールバフしか見なかったし、仕上げ用ポリッシャーは
スライダックで電圧を落として回転数を落としていた時代。
今みたいに最後に一気にごまかせるコーティング剤もなかった。

しかしだ、
自分で仕上がり点検するのは自由、自分の物差しを商売人に押しつける
のは暴力。自分で作業するのは趣味だから満足するまで好きなだけ
磨けば良いけど、商売にしている人間にはできる事とできない事がある。
店を選んだのは自分なのだから点検して気に入らなかったら違う店に
持ち込むのが自分の責任。

当時そのお客さんは多分30代後半だったと思うけど(自分が12歳とか
だったので相手の年齢はおじさんってレベル)大人げないというか
何というか、まさに驚きでしかありませんでした。

今ではこの程度のレベルの勘違い人間はどこにでも転がっています。
モンスターペアレントと言われる人も似たようなもの。
これはクレーマーって人種を初めて見た昭和52年(頃)の出来事。
その後この人を越える人は山ほど見てきましたが、やはり人生最初
の衝撃を超えるインパクトはありません。

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