現実を見る
目線の高さで事務所の屋根を見る事なんてのは、今回が
人生最後だと思われるので、あれこれじっくり見る。
屋根板は色付きステンレス板(0.3mm)なので錆びや
雨漏りはない。単純に表面塗装の劣化。
劣化している=表面が傷んでいるという事なので、
どうするかなぁ、、というところ。
とりあえず屋根全面を高圧洗浄してから考えることに。
屋根は下から見えないので見た目はどうでもよい。
下の写真は高圧洗浄後なので素地が出ています。
ステンレス屋根に塗装追加だと30万円強のコスト増。
とはいえ、全体で見ると誤差範囲。
屋根の葺き替え工事費用を思えば「塗っとけ」が正解。
25mほどの大きなRで作った屋根で、建築時予算に限り
が有ったために板厚さが0.3mmになった。
これは失敗。
0.5mmにしていればよかった。
材料的にステンレス鋼板は無敵だと思っていました。
26年目の屋根を見た感じでは、0.3mmで無補修だと
40年程度で限界がやってくる雰囲気。
もし、うちの事務所が海際の工場地帯にあったとしたら、
26年目、今日の時点で既にボロボロだったかもしれない。
腐食原因は、工場ばい煙などの酸性成分が原因。
ステンレス鋼板の26年間の現実を見ると、これがガルバ
ニウム鋼板だったら・・20年位が限界かもしれません。
そう考えると「釉薬瓦」という商品は、重量問題さえな
ければ素晴らしい材料。
酸性雨が降っていた工業地帯でもまったく問題なし。
釘固定方式が確立し良くなってきた昭和50年頃からの
家であれば、屋根はメンテナンス要らず。
平屋なら瓦重量のデメリットも少ない。
釉薬瓦は重たいので室内に響く雨音も静か。
それらに比較すると、とても手間がかかる屋根材は、
カラーベストの類やコンクリート瓦。
何事も値段相応。
破風板は塗装ではなく防腐処理(キシラデコール)だっ
たのですが、これは当時の選択が良かった。
ペンキだったら10年で終わっていました。
鉄ビスを使わずステンレスビス+キシラデコールは最強。
今回も下地を作りなおした上でキシラデコール(臭いけ
ど)仕上げにします。
26年目に事務所を高い足場からいろいろ見ると、
誰がどんな工事をしたのか、
出来が悪い下請けは何の業者だったのか、
設計の考慮不足はどこだったのか、など
あれこれ勉強できます。
建築当時は設計的に80点の出来だと思いましたが、
今は、60点の出来にしか思えません。
26年目にして反省文が書けそうです(笑)
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