懐古趣味
スイス機械式腕時計が精度でセイコーに負けたところ、
スイス時計業界は世界的な精度コンテストを止めた。
アナログ針式クォーツ製の腕時計が天下を取るのかと
思ったら、Gショックのようなデジタル時計が台頭。
気が付くと、機械式腕時計は動作性能ではなく装飾品
として急激に市場を回復している。
日本製も粗利が多いその世界に追いつこうとするが、
装飾品という世界では「歴史や商品が持つドラマ」
には勝てない。
そんな中、黒船AppleWatchが登場。
毎日充電しないと使えない短命な腕時計が、驚くほど
売れた(売れている)。
・
「腕を見て時間を確認しなくて良い時代」になったので、
腕時計が新しい形に変化していくのは必然の流れ。
時代の変化に一番追いつけていないのが「人間」。
偉そうなことを言う時計デザイナーも、
100年前の機械式腕時計設計者の足元にさえ到達
出来ていない。
今は「機械的構造」を一切考慮しなくて良いから、
昔とは比較できないほど自由にデザインできるはず
なのにさほど変化が無い。
腕時計に限らず、カメラも車も全て同じ傾向。
お金を持っている高齢者の懐古趣味を満足させる
古めかしく見えるデザインで利益を上げている。
日産の新型「Z」
懐古趣味と言わせないほど徹底した懐古趣味。
単純に嫌いじゃない。
嫌いじゃないが、見れば見るほど嫌になってくる。
初公開の瞬間は良かった。
しかし、毎日は見たくない感じと言えば良い。
既に見たくなくなっているので買う気がしない。
分かるかなぁ~、この感覚。
どんなに咀嚼しても過去の模倣。
ライカがM型を模したデジタルを出してもライカ
だから(ブランド力)仕方なく許せるが、
ニコンがFM2世代を模したAPS-Cカメラを出して
きたのに買う気がおきない。
懐古趣味を有利に営業利用するためには、
長期にわたるブランドイメージ戦略が重要。
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